2018年 05月 02日
読書記録「がん消滅の罠 -完全寛解の謎-」 |
読書記録 岩木一麻「がん消滅の罠 完全寛解の謎」
抄録は以下の通り。
『余命半年の宣告を受けたがん患者が、生命保険の生前給付金を受け取ると、その直後病巣がきれいに消え去ってしまう…。
連続して起きるがん消失事件は奇跡か、陰謀か。医師・夏目とがん研究者・羽鳥が謎に挑む医療ミステリー。』
ついテレビドラマを見てしまったので、ネタバレ状態で読む羽目になりました。
ネタバレ状態のミステリーを楽しむにはトリック以外の伏線だったり人物描写であったり小説的巧さが必要なのですが、その部分はあまり出来はよろしくありませんでした。
とすると、焦点はメインとなるトリックですが、なんとも評価し難いです。
まず、現実的ではありません。
技術的に不可能ですし、やっていることは完全な犯罪です。
犯罪、というのは、例えば、ある種の細菌や薬品を投与し、症状を起こしたところで
ワクチンなり、解毒剤を投与するのと全く同じです。
それを、メインのトリックに据えるのは受け入れがたいものがあります。
途中の医学論議も、トリックが判明したあとで振り返ると目くらましのための議論でしかなく
つまらないなぁと我慢して読んでも無駄な印象しか残りません。
おすすめ度:☆☆★★★(トリックは非現実的ですが中々画期的です)
by k1right
| 2018-05-02 05:02
| 読書記録
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