2017年 12月 04日
読書記録「ディレクターズ・カット」 |
読書記録 歌野晶午「ディレクターズ・カット」
抄録は以下の通り。
『報道ワイド番組の人気コーナー「明日なき暴走」で紹介される、若者たちの繰り返す無軌道・無分別な行動が、じつは下請け制作会社の有能なディレクター仕込みのやらせだった。それを知らない根暗な若い美容師が若者たちと交錯し、殺人鬼へと変貌する…。』
本格ミステリ村の作家に時々ある変な癖が出てきてしまった典型的なパターン。
読者を裏切ることばかりに執着するあまり物語が破綻するというものでした。
あぁ、そこで終わらせておけばいいものを、余計なことをして、もう。
この作者特有の、一部で暴走するパターンも健在で、誰か止めてあげればいいのにと思います。
今までは、この暴走が物語に影響があまりなかったのですが、今回は、おおありでゲンナリしました。
以下若干のネタバレです。
一件の殺人を隠すために、数件の殺人を犯す、というのは無理筋過ぎます。
指紋の転写とかもありましたが、それが出来るんだったら、もっとましな事件の隠蔽も出来るだろうにと思います(死体の処理とか、そもそもの事件そのものとか)。
あと、登場人物で女性なのに漢字では男性名という設定がありましたが、回収されていない伏線になっていました(、多分)。
おすすめ度:☆★★★★(本格ミステリファンには無理。抄録で嘘をつくのはやめたほうがいいです)
by k1right
| 2017-12-04 12:04
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