2017年 03月 20日
朝日新聞でのブルボン小林氏の事実誤認:シノラー |
3/18 朝日新聞「(ブルボン小林の末端時評)ミーハー満たすベスト盤」
『アムラーと並ぶ「シノラー」という流行語』
当時を知るものとして説明します。
”アムラー”というのは安室奈美恵のフォロワーで、安室奈美恵の格好を真似た若い女性を指すものです。
一方、”シノラー”というのは、ご本人のご本人による呼称です。
はっきり記憶していますが、誰も(ジャラジャラとしたアクセサリーや色彩感覚の奇抜なファッション)を真似をしてくれないので、”アムラー”を真似て、自らを”シノラー”と呼んでいるとのことでした。
だから、安室奈美恵ご本人を”アムラー”と呼ぶことはありませんが、
篠原ともえを”シノラー”と呼ぶのです。
そして贔屓の引き倒しで無知を晒しているのが以下の箇所です。
『特筆すべきなのは、普通はこれが、デビュー10年くらいのときに出ているものだということ。・・・会社に「勝手に出されてしまう」格好悪さもないし、本人の「出さなかった」選択には品のよさも感じる。』
1998年のメジャーデビューのaikoの
初のベストアルバムがリリースされたのが、
2011年です。
オタが知ったかぶりをして専門外に言及するとこういうヘマをするという典型例ですね。
『篠原ともえのベストアルバム『篠原ともえ ★ALL TIME BEST★』が出たというので発売日に勇んで買いにいった。買いにいきつつ、あれ、今、何年だっけとも思う。
アムラーと並ぶ「シノラー」という流行語で彼女が話題になったのが、もう20年ほど前のこと。過剰にポップなファッションと無邪気なキャラクターが人気を呼び、歌手としても活躍していた。
なぜかどこのCDショップも未入荷で(どこの店も閑散としている)やっとみつけて帰宅したら妻に「ファンだったの?」と問われ、答えに窮した。
そのミュージシャンのベストアルバムを最初に買う人は、ファンではない。
ベストアルバムとは、既にCMやテレビで知っている曲をまず聴きたい、はなはだミーハーな人のためのものだ。
○ ○
同じ1990年代に活躍した猿岩石やポケットビスケッツは(比較対象として適切か分からないが、広く「90年代の人気者で、CDも出した」例としてあげるが)アルバムを1枚出しただけで、2枚目がもうベスト盤だったのに対し、篠原ともえは今回のが初めてのベスト盤だ。
往年の歌手のベスト盤だったら「ゴールデンベスト」というような命名でたくさん出ている(多くは価格も安い)。それらは「ベスト」といいつつ、リリースしているレコード会社に在籍していたときのシングル曲をただ並べたもので、ジャケットも歌詞カードのデザインも安直な、対象への愛のないものが多い。
今回のベストは、本人による選曲、所属した「レーベルの枠を超え」て(という言い方もまた「ベスト盤」でよく耳にするが)の収録で、かつての「シノラー」も彷彿(ほうふつ)させるかわいらしいアクセサリーをちりばめた中に、すっかり大人になった本人のたたずむジャケットもごく自然だ。
石野卓球のテクノサウンド全開の『ウルトラリラックス』が代表曲だが、ユースケ・サンタマリアと組んだ『カロゴンズのテーマ』や、アルバイト情報誌のCMソング『まるもうけ』など、20年近く昔の曲も聞き覚えがある。真に「ベスト盤から入るミーハーな人」のための喜びに満ちた選曲。テクノイメージから、バラエティー番組の活躍を経てバンドっぽくなったりする過程も、当時の彼女がどう売り出されようとしていたかが窺(うかが)えて興味深い。新録された、北野武のカバー『嘲笑』もいい。
○ ○
特筆すべきなのは、普通はこれが、デビュー10年くらいのときに出ているものだということ。ミーハーな、僕のような興味がある(けど通常のアルバムは買わない)層をなぜ当時は取りにいかなかったのか。猿岩石やポケットビスケッツのように100万枚のメガヒットがなかったからか、分からないが会社に「勝手に出されてしまう」格好悪さもないし、本人の「出さなかった」選択には品のよさも感じる。ハロウィーンやコスプレなども広まり、かつての彼女の過剰なファッションも今は「奇抜」ではない。ならば彼女の歌は今ならどう響くか、新曲にも期待したい。(コラムニスト)』
by k1right
| 2017-03-20 18:00
| 朝日新聞
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