2016年 10月 08日
段ボールベッド |
だいぶ前にこんな記事がありました。
『4月にオープンする釧路フィッシャーマンズワーフMOO(釧路市錦町2)5階のアリーナ兼避難施設に26日、災害緊急時用の段ボールベッド10組が納入された。このベッドは市が監修し、製造業の王子コンテナー釧路工場(大楽毛3)で作られた。自治体への納入は初めてという。高さ40センチの段ボール9個を組み立て、その上に三つ折りの幅約90センチ、長さ1メートル95センチの段ボール一枚を広げ、ベッドやいすとして使用する。重さ800キロまで耐えられ、使用しない時は畳んで収納し一箱に収めて持ち運べる。』
『名寄市は、災害対応用に段ボール製の組み立て式ベッドを購入。万一の際、避難所で活用することにしている。
名寄市内では昨年8月の豪雨の際、避難所を開設したが、寝泊りするとなると、床面に地べたに寝なければならず、高齢者や障がい者には身体への負担が大きいため、新たに段ボール製のベッドを導入した。
このベッドは、名寄にも工場を置いている王子マテリア株式会社と北陽紙工株式会社が開発。地元企業が自ら災害対策用として、避難所対応のために段ボール製ベッドの開発に取り組み、独自に強度への工夫を重ねて製品化した。2013年に釧路市や釧路管内白糠町の防災訓練でも使用されている。
使用方法は、段ボール箱9個をそれぞれ組み立て、中に補強用の仕切りを入れてガムテープで封印。箱を3列に3個ずつ並べ、天板の段ボールを載せると完成。組み立て後の寸法は長さ1・95メートル、幅0・87メートル、高さ0・4メートル。耐荷重は約800キロで、大人1人が楽に寝られる大きさとなっている。
ガムテープを貼る部分には、あらかじめビニールテープが貼られているため、使用後にガムテープを剥がすのは容易で、解体後も再利用することが可能となっている。
価格は1セット4700円(税抜き)で、今回は100セットを購入。普段は市役所名寄庁舎、風連庁舎、智恵文支所で保管し、災害の際、避難所に持ち運び、活用することとしている。
市では2月4日に防災訓練を実施。午後1時半から高見区町内会館で市民に段ボール製ベッドを体験してもらうことにしている。
さらに、段ボール製の簡易トイレ(1セット1850円、凝固剤付き)も40セット導入した。』
一方で岩手県岩泉町はこんな状態です。
『台風10号豪雨で甚大な被害が出た岩手県岩泉町の住民が暮らす避難所で、簡易ベッドの導入が進んでいない。国の防災基本計画は地方自治体が整備を図ることを定めているが、町は「避難者の希望があれば用意する」との姿勢にとどまる。冷たい床に寝ることで体調を崩すケースもあり、簡易ベッドを望む声が高まっている。
町隣の田野畑村の指定避難所には、町民29人が身を寄せる。支給された寝具は1人につき布団1組だけで、カーペット敷きのホールで眠る夜が続く。
同町中島の千葉泰彦さん(43)の次女(10)に異変が生じたのは避難を始めて3週間が過ぎた9月22日の夜だった。全身に出たじんましんと急な発熱。診察した医師は「原因は断定できないが、雑魚寝で床のほこりを吸い込んだ可能性が高い」と説明した。
石巻市から駆け付けたボランティアの奥田弘幸さん(52)らは町に掛け合って同月25日、役場に保管されていた段ボール製の簡易ベッド約20台を運び込んだ。
段ボール箱9個の上に段ボール製の天板を載せたシンプルな作りだが、千葉さんは「起床時の喉の違和感がなくなり、寒さも緩和された」と効果を唱える。
町によると、被災2週間後に支援物資として段ボール製の簡易ベッド80台が届いた。50台は利用希望のあった避難所の高齢者や障害者に提供したが、残る30台は使われていない。
東日本大震災を受けて2012年に修正された国の防災基本計画では、自治体が避難所で整備を図る項目に簡易ベッドが加わった。町は「残りの30台は希望があったら提供する。ストックが尽きたら追加支援をお願いするしかない」と説明する。
町内の避難所では今も100人以上が薄いマット敷きの床などでの就寝を強いられている。14年の広島土砂災害や熊本地震の被災地支援にも携わった奥田さんは「段ボール製の簡易ベッドは安価で被災自治体は積極的に導入していた」と指摘。「支援を待つだけでなく、購入してでも避難者全員分を確保すべきだ」と訴える。』
釧路市や名寄市だけではなく、日本中の自治体、企業でダンボールベッドのストックがあるはずです。
なぜ、提供しようとしないのでしょう。
by k1right
| 2016-10-08 00:00
| 災害ボランティア
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