2016年 08月 24日
やっぱりまずい、ヤフトピの早朝覚醒の記事 |
『人は加齢に伴って目覚めが早くなりますが、働き盛りや若い世代の人が午前3時、4時といった時間に目が覚め、そのあとなかなか眠れないとしたら、心が疲れている証拠です。さらに、その状態がほぼ毎日、2週間以上続いているなら、うつ病の可能性があります。
自分自身、またはパートナーに早朝覚醒が続いているなら、できるだけ早く精神科か心療内科を受診してください。』
この記事には色々とまずい点があります。
1)筆者が実は専門外です。
『くどうちあき脳神経外科クリニック院長、工藤千秋さん』
脳神経外科って・・・。明らかに専門外です。なぜこの方が”早朝覚醒”に言及するか理解できません。
しかも記事には『できるだけ早く精神科か心療内科を受診してください』って。
ご本人のプロフィールより。
『専門とする分野
脳神経外科専門医であるとともに、認知症、高次脳機能障害、パーキンソン病、痛みの治療に情熱を傾け、心に迫る医療を施すことを信条とする。 漢方薬処方にも精通し、日本アロマセラピー学会認証医でもある。』
”睡眠”や”うつ病”に関しては専門ではないようです。所属学会も同様です。
2)早朝覚醒そのものは問題ありません。
問題となるのは、早朝に目覚めてしまい、その後、寝付けなくて、熟睡感が得られず、日中の眠気などで日常生活に支障をきたすケースです。早く覚めるだけならなんの問題もありません。
3)早朝覚醒=うつ病のサインではありません。
単なる加齢や睡眠障害や生活リズム障害のケースもあります。
『最もしてはいけないことは、自分が“主治医”になって自己診断してしまうことです』と、記事中にも書かれています。
睡眠障害の場合、処方される薬は当然睡眠導入剤です。
実は、抗うつ薬より、睡眠導入剤のほうが問題が多いことがあります。
依存性の高い薬をなんのエクスキューズなしに処方されるお医者さんの話もよく聞きます。
4)抗うつ薬に対する抵抗は、病名に対する抵抗です。
『うつ病の患者さんには、抗うつ薬を使いたくないという人が少なくありません』
とありますが、患者さんが抗うつ薬を処方されるのに抵抗されるのは、副作用や依存性の誤ったイメージを持っているためです。
また”うつ病”であると診断されることへの抵抗でもあります。
いまだに、精神疾患は本人が弱いせいだとか思い込まれている方も少なく無いです。
また、うつ症状の患者さんに対しては、症状に合わせ、睡眠導入剤、抗不安剤、精神安定剤等が処方されます。
必ずしも抗うつ剤が処方されるとは限りません。
5)うつ病に伴う睡眠障害は複雑です。
『睡眠障害には、なかなか寝つけない「入眠障害」と、夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」もありますが、うつ病に伴う睡眠障害には早朝覚醒が多い』
うつ病に伴う睡眠障害は複雑で、そんなに簡単なものではありません。
6)日本の認知行動療法の親分はあのかたです。
『一般的には漢方薬の処方や、認知行動療法(ものごとの受け取り方を修正することで気分や行動を変化させる精神療法)が行われます。』
産業カウンセラー協会にも絡んでいるので実名は控えますが、子宮頸がんワクチンの”副反応”は心因反応であると断定されたあの方です。
by k1right
| 2016-08-24 00:00
| カウンセリング
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