2016年 02月 29日
読書記録「砂の街路図」 |
読書記録 佐々木譲「砂の街路図」
抄録は以下のとおり。
『なぜ父は幼い息子と母を捨てて失踪し、この街で溺死したのか。母の四十九日を追えた岩崎俊也は、父の死の真相を知るために、北海道の運河町へと旅立った…。直木賞作家が挑む、まったく新しい家族ミステリー。』
まだ1月ですが、今年のワーストかもしれません。
ロジックはともかくスピード感で読ませるタイプの作家さんだと思っていたのですが、この作品では先に読み進めるのが非常にしんどかったです。
とにかくスピード感がありません。おそらく主人公の思考がつっかえつっかえなのが文体に反映されているのでしょうが、先に読み進めるのがしんどいのです。
ロジックも無茶苦茶です。
同じページの主人公のセリフで矛盾する箇所もあるのです。
設定も無理だらけで、主人公をはじめ登場人物の言動も訳が分かりません。矛盾、というより本当に訳がわからないのです。
主人公が事件の真相に至る謎の老人へのインタビューも、誘導尋問というよりも、頼んでもいない真相を勝手にべらべら喋る、というものです。
ご都合主義と論理矛盾にあふれた成立していないミステリもどき、といえば良いのでしょうか。
真のミステリは、なぜこのような作品を作者及び編集者がリリースしたことかもしれません。
佐々木譲作品をAmazonのおすすめ順で数冊。
過去作品は結構いいものがたくさんあります。
おすすめ度:☆☆☆☆☆(前述の理由で)
by k1right
| 2016-02-29 00:00
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