2015年 11月 30日
読書記録「激安食品の落とし穴」 |
読書記録 山本謙治「激安食品の落とし穴」
著者のブログはこちらの「やまけんの出張食い倒れ日記」。
抄録は以下のとおり。
『安いたべものには、安いだけの理由がある。たべものがどのようにできているのか、どのように流通しているのか、どのように販売されているのか、その過程で何が問題になっているのかを伝える書。』
惜しいです。
前半だけならよかったのですが、途中から、まっとうな食品を作っている業者紹介になってしまいました。
ゆえに、前半のまっとうな議論も、業者・商品紹介≒通販番組の枕のようになってしまいました。
折角「1kgの豚肉が1.2kgのハムになる!」と問題提起しているのに、
セブン-イレブンの惣菜が至極まっとうだなんて言ってしまったら、それじゃコンビニ惣菜で良いんじゃね?となっちゃいます。
(ところでセブン-イレブンの唐揚げはどちらなんでしょう?文中ではセブン-イレブンの惣菜は具体的でしたが、唐揚げは曖昧でした)
”ネオポストモダン消費”とか
”エシカル消費”とか
”佳い食”(巻末付録の『日本の「佳い食」リスト』とか
怪しい自費出版のキャッチのようで、明らかに前半のまっとうな主張の価値を下げているだけで、まったく不要です。
おすすめ度:★★★☆☆(流行りのハム・ソーセージ論に便乗する際の基礎知識として知っていると鼻高々)
ちょうど、東洋経済オンラインに参考になる記事がありました。
『これほどまでのこだわりを聞くと、「それでも高い」か、「ここまでしているならこの価格は安い」か。後者が少なくないのである。』
『目を引くオリジナル商品がプレミアムチーズケーキ。多いときには1日に5000本以上売れるというこの商品は、ほとんど機械を使わず、一つ一つ手作りしている。』
『自家製ソーセージは国産のフレッシュな豚肉を使用。ドイツ岩塩で味付けし、ポークウインナーは天然の羊腸に詰めて作る。燻製用木材は本場ドイツからブナの木を取り寄せている。』
と、本書と被る部分が多くありました。
本書中で”成城石井”は言及されていませんが、ほぼ同一のコンセプトなので、合わせて読むのが良いと思います。
おまけ:
たまたま付けっ放しにしていた日テレの音楽特番「ベストアーティスト」と相似性を感じました。
マック~コンビニ惣菜~本格調味料など
AKB~ジャニタレ~aiko・いきものがかりなど
これらが同レベルに扱われる点が、多様性を担保しているのだと感じました。
by k1right
| 2015-11-30 00:00
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