2017年 09月 04日
ハルシオン0.5mlとマイスリー5ml@コード・ブルー2017-08-28 |
まず、睡眠導入剤への偏見を生むような真似はやめて欲しいです。
自殺したがりは睡眠導入剤を欲する、とか
(いまは、この手の薬をたくさん飲んでも死ぬことははまずありません)
睡眠導入剤でヘロヘロになって死にかけるとか(多分次回はそう展開するはずです)。
深刻な睡眠障害には、
例えば、こんな枕がいいよ、とか、マットレスをいいのにするのがいいよ、とか、
寝る前のN分前のお風呂にはいるのがいいよ、とかは無意味です。
まず眠ることで体力を回復しなけれなならないのです。
それには、適切な睡眠導入剤の処方が必用です。
それがうつ状態によるものか、その他の心的な原因によるか否か、
もしくは生活リズムの乱れによるものか、は関係ありません。
眠れないことによって生じたダメージの回復には
眠ることによってしか補償されないはずです。
テレビを見ていて、まず思ったのは「何じゃこの組み合わせ、ありえへん。」です。
誰でもわかるのは、
・錠剤なのに単位がml
まぁ、これはただのチョンボでしょう。
・よく似た効能の薬を処方
ハルシオンとマイスリーは同じような超短期型の睡眠導入剤という認識があったので、併用することがあるかどうか調べることにしました。
「ハルシオンとは」には以下のようにあります。
『ハルシオンの効果が持続する時間は、超短時間型に分類され、即効性に優れていることが特徴です。服用後、平均10~30分以内には睡眠作用があらわれ、約1.2時間後には効き目が最大になるため、寝つきの悪い入眠障害に悩む人に有効です。ただし、即効性がある反面、約3時間弱で効果が薄れてきます。』
同様に
「マイスリー錠5mgの基礎情報」には以下のようにあります。
『マイスリー錠5mgは、寝つきが悪いタイプの不眠を解消する薬です。2000年に販売が開始された比較的新しい薬で、睡眠・鎮静作用から不眠症の治療に使われます。ただし、統合失調症や躁うつ病など、精神的不安が原因となっている不眠症状には効果を発揮しません。
マイスリーは超短時間作用型の睡眠薬で、薬の持続時間は短いですが、即効性があるのが特徴です。効き目もよく比較的副作用も少ないとされ、よく処方される睡眠薬のひとつです。
マイスリーの剤形は、錠剤のみとなっています。』
併用については、
『いえ、基本的に医師から特段の処方がないかぎりはマイスリーとハルシオンは一緒に服用しない方がいいです。
両方とも超短期間型の睡眠剤で効果が重なるので、睡眠効果が強く出過ぎるだけでなく副作用のリスクも高まります。』
もちろん、アルコールは厳禁です。
処方量については、
『通常、1回0.25mgを就寝前に使用します。
高度な不眠症には0.5mg使用する場合があり、高齢者には1回0.125mg~0.25mgまでとなっています。』
とあり、作中での医師の「処方量が多い」という指摘に合致します。
『通常、成人にはゾルピデム酒石酸塩として1回5~10mgを就寝直前に使用します。なお、高齢者には1回5mgから使用開始する。また、年齢や症状、疾患により用量を調整する場合がありますが、1日10mgを超えないことと定められています。
マイスリーの効き目には個人差があり、用量によってはもうろう状態や夢遊症状などの睡眠随伴症状があらわれるため、少量から使用を開始します。』
とあり、やはり、作中での医師の「処方量が多い」という指摘に合致します。
結論としては、
1)単位系の誤り
2)併用の異常さ
3)量の異常さ
ということになり、やはり「何じゃこの組み合わせ、ありえへん。」ということになります。
リアルであると評判のフジテレビ「コード・ブルー」ですが
細かいところは詰めきれていなかったようです。
by k1right
| 2017-09-04 00:00
| 臨床心理学
|
Comments(1)
Commented
by
ニャミ子
at 2018-07-11 00:44
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マイスリーとハルシオンの併用は異常ではありません。現に私が処方されています。マイスリー5mg×2錠にプラスして、頓服としてハルシオン0.25mgです。
ちなみにハルシオン錠は0.125mgと0.25mgの2種類で、0.5mg錠は存在しません。(1980年代には製造されていたようです)
ちなみにハルシオン錠は0.125mgと0.25mgの2種類で、0.5mg錠は存在しません。(1980年代には製造されていたようです)
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