2016年 10月 13日
最近(10/9)の四万十観光ニュース(うなぎと川エビ) |
四万十川の天然うなぎはすでに超高級品ですが、
続いて、川エビも高級品になってしまうかも、というニュースです。
まずはうなぎについてです。
※2010、2011は記事中にデータなし
四万十川は1990年代~2000年代に”最後の清流”ともてはやされたものの、実際にはイメージと実際とのギャップがあるとの苦情から、水質改善に取り組んでいるので、水質は徐々に改善されているはずです。
『四万十川、仁淀川など、高知の川の味覚を代表する天然ニホンウナギ。高価ながらも肉厚な脂の甘みや香ばしい香りを求めて県外からも多くの観光客が訪れる。だが、値段は近年文字通り「うなぎのぼり」で、「幻の食材」になりかねない勢いだ。国際的な不漁が続く中、県内でも漁獲量は最盛期の46分の1にまで減小し、県は14年には川での漁期を短縮、今年度から毎年10月1日〜翌年3月まで海での成魚捕獲も禁止した。「資源保護」と「ウナギの食文化」の間で、県内のウナギはどうなるのか。』
ついで川エビ。
『高知県の四万十川料理の代表、川エビ(テナガエビ類)の不漁がここ数年続き、2016年は特に深刻な状況となっている。四万十川西部漁協(四万十市西土佐江川崎)の取扱量は36.7キロと、低調が目立った昨期のさらに半分ほど。漁業関係者や四万十市内の飲食店は「年々減って今年は壊滅的」「庶民の味が高級品になる」と嘆いている。』
※残念ながら川エビそのものはありませんでした
記事のデータをグラフ化してみました。
私が四万十川に通い始めた1990年代は、簡単な道具でちゃっちゃと捕れたもので、川沿いの定食屋で川エビ定食を頼むと、山盛りで食べ飽きるほどの川エビの唐揚げに川エビとキュウリのスープがお安くいただけました。
私が最後に四万十川に行ったのは2012年でしたが、たしかに川エビを見ることはありませんでした。
うなぎも地元の方にごちそうになったことがあります。
『四万十川、仁淀川など、高知の川の味覚を代表する天然ニホンウナギ。高価ながらも肉厚な脂の甘みや香ばしい香りを求めて県外からも多くの観光客が訪れる。だが、値段は近年文字通り「うなぎのぼり」で、「幻の食材」になりかねない勢いだ。国際的な不漁が続く中、県内でも漁獲量は最盛期の46分の1にまで減小し、県は14年には川での漁期を短縮、今年度から毎年10月1日〜翌年3月まで海での成魚捕獲も禁止した。「資源保護」と「ウナギの食文化」の間で、県内のウナギはどうなるのか。【岩間理紀】
■意外と知らない生態
日本でのウナギの食用の歴史は古い。江戸時代に発明家の平賀源内が「土用の丑(うし)の日」にスタミナ食としてウナギを売り出したことは有名だが、奈良時代には既に万葉集の中で、歌人、大伴家持が「夏痩せにはむなぎ(ウナギ)が良い」という歌を残すなど古来親しまれてきた。
ニホンウナギの生態にはまだまだ不明な点が多いが、マリアナ海域などでふ化した後、海流に乗って約3000キロを北上。東アジアの河川を遡上(そじょう)し、淡水域で数年〜十数年を過ごした後、産卵のために再び生まれた海域まで戻り、一生を終えると言われる。
■国際的な保護の枠組みの中で
ニホンウナギは14年、個体数の減少が激しいとして国際自然保護連合(IUCN)から絶滅危惧種に指定された。ランクは「近い将来、野生での絶滅の危険性が高い」と定義される、パンダやトキと同じ「1B類」だ。乱獲に加え護岸工事などの影響で、ニホンウナギが生活する水田やため池、巣を作る草などが生えた川辺が減ったことなどから激減。県漁業管理課によると、県内のニホンウナギの成魚の漁獲量は4トン(全国112トン)で、ピークだった82年の184トン(同1927トン)から激減した。資源保護は急務で、先月25日のワシントン条約締約国会議では、ウナギの国際取引に関する実態調査を求める決議案を採択し、今後、取引を条約で規制するための「布石」とも言われている。
■県内の取り組みは
高知海区漁業調整委員会は、今年から、毎年10月〜翌年3月までの期間、21センチ以上の成魚の捕獲を禁止する指示を出した。ニホンウナギは、秋から冬にかけて産卵のため川から海へ下る。県内の河川では14年から同時期の成魚の捕獲を既に禁止しており、海と川が一体となって産卵間近の親ウナギを保護することが狙いだ。違反すると、漁業法に基づき1年以下の懲役か50万円以内の罰金を科される場合がある。同課は「夏場に多いウナギ漁に配慮しつつ、資源保護に向けて取り組む必要がある」としている。
また現在、市場に流通するニホンウナギの大半は、天然の稚魚(シラスウナギ)を捕獲して養殖したものだ。県内では14年に漁期を他県と比べても短い年間80日と短縮し、総漁獲量の上限を前年度の3割減の0・35トンに設定。採捕者数を必ず前年度を上回らないようにするなど、資源回復に向けた措置に取り組んでいる。
■守るためにできること
「このまま何もせず漁を続ければ、すぐにウナギは捕れなくなる」。多くの漁業関係者に共通した認識だ。新潟県・佐渡島のトキの例からも、一度壊れた自然を復活させるには地道な努力と長い時間が必要になる。ニホンウナギを巡っては、卵からかえす完全養殖の技術研究なども進んでいるが、コスト面の課題から普及は先になるとみられる。自然の恵みをいかに未来に伝えるか、漁業者だけでなく消費者も無関心ではいられない。』
『高知県の四万十川料理の代表、川エビ(テナガエビ類)の不漁がここ数年続き、2016年は特に深刻な状況となっている。四万十川西部漁協(四万十市西土佐江川崎)の取扱量は36.7キロと、低調が目立った昨期のさらに半分ほど。漁業関係者や四万十市内の飲食店は「年々減って今年は壊滅的」「庶民の味が高級品になる」と嘆いている。
四万十川流域のテナガエビ類は、5~9月が漁期。四万十川の「川の幸」として、観光客や地元住民にも人気が高い。
しかし、漁獲は右肩下がりになっている。四万十川中流域にある四万十川西部漁協の取扱量は、2009年の2490キロが近年のピーク。2012年は704キロ、2013年は566キロ、2014年は150キロ、2015年は64キロまで落ち込んだ。
2016年はさらに、2009年の約70分の1にまで低下。漁協以外の出荷ルートもあるため、漁獲量の減少幅は正確には分からないが、激減していることは間違いない。
四万十川西部漁協組合員の小出徳彦さん(56)は「今年は特に厳しい。このままだと『絶滅危惧種』になりかねない。漁の自主規制が必要になるのではないか」と危惧する。
四万十市西土佐津野川の「いわき食堂」では2016年夏、期間限定のメニュー「川エビそうめん」を出すことができなかった。おかみの岩城千恵巳さん(56)は「こんなに取れんなるとは思わなかった。せっかく食べに来てくれても、お断りすることがありました」とこぼす。
四万十川下流域などの産品を扱う幡多公設地方卸売市場でも1228キロ(8月末現在)と、5、6年前の半分に満たない状況だ。
流通価格は1キロ3500~5千円で推移。四万十市内の飲食店は「7、8年前は1500~2千円だった」「今は伊勢エビの単価と同じくらい。庶民の味だったが、値上げしないと正直、厳しい」と切実だ。
不漁の原因について、漁業関係者は「乱獲が影響している。漁業権魚種ではないので、誰でも簡単に取れる。四万十川はいくら取っても減らないという感覚だった」と話す。ほかに、「外来種のカメやブラックバスなどが増え、川エビを食べている」と指摘する人もいる。
四万十川を担当する四万十市農林水産課の辻祐人さん(29)は「川の環境が変化している。川底に泥が増え、川エビが隠れる石が減っている」と分析する。
テナガエビ類を研究する「魚と山の空間生態研究所」(宿毛市)の山下慎吾所長も、川エビの漁獲量が増えたことや、生息環境が少なくなったことを不漁の原因に挙げる。その上で、「テナガエビ類の寿命は3、4年。この減少は一時的ではなく、四万十川のテナガエビ類全体で危険な状態。個体群を守るため、何らかの規制は必要になる」と警鐘を鳴らしている。』
by k1right
| 2016-10-13 15:00
| 四国ネタ
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