2016年 04月 29日
読書記録「ウツボカズラの甘い息」 |
読書記録 柚月裕子「ウツボカズラの甘い息」
抄録は以下のとおり。
『家事と育児に追われ、かつての美貌を失った高村文絵。彼女はある日、趣味の懸賞でディナーショーのチケットを手にした。参加した会場で、サングラスをかけた見覚えのない美女に声をかけられて…。』
装丁はいまいち、タイトルも微妙でしたが、思った以上にいい出来のミステリでした。予定調和的といえばそれまでですが、張り巡らされた伏線が収斂していく感覚はスカッとします。
正直、色々な意味で安易な面が目立ちますが、それは映像化を念頭に置いたものではなく、プロットを先に進めるためのものだと感じました。なので、さほど悪い印象ではありません。
もちろん、殺人事件のもっとも困難な部分である遺体処理とアリバイ作りが雑であると指摘するのは簡単ですが、それは、そこに重きを置いていないが故と考えられます。
そして、もっとも好印象なのは、映像化が念頭にないことです。
(本作をそのまま映像化すると最初の場面でネタバレするはずです)
おすすめ度:★★★☆☆(お気楽ミステリとして)
by k1right
| 2016-04-29 00:00
| 読書記録
|
Comments(0)