2016年 03月 14日
人々を惹きつけるアドラー心理学?いえいえ心理学ではありません! |
何度も言っていますが「アドラー心理学」は心理学ではありません。
『「アドラー心理学」に関心が集まっている。『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(ダイヤモンド社)が大ヒットしたことを契機に、書店では特設コーナーが組まれたり、企業や教育現場でもアドラーに関するセミナーが開催されたりする大盛況ぶりだ。なぜ、ここまで人々を惹きつけるのか。』
『ここまで人々を惹きつけるのか?』
それは新手(に見える)の”自己啓発”系だからです。
タイトルにもあるとおりで、そのまんまです。
すでに、最新刊では『アドラー本の広告から”心理学”の文字が消えました』
cf.3/5の本ブログ アドラー本から”心理学”が消えましたより。
そして、この記事でも以下のように述べられています。
『アドラーは欧米では精神分析の創設者・フロイトやユングとともに「三大巨頭」と並び称される。』
症例捏造が証明されたフロイドや、クライアントと性的関係を持ったことが「危険な関係」という映画にもなったユングと同じ並びということです。
この筆者はよくわかっている方だと思います。
わかりやすく言えば、ユングとかフロイドとかが出てくれば、あぁあれ系ね、と思ってもらえればいいです。
現代ではこれらは”心理学”とは見なされません。
根拠がない、適当な思いつきの羅列でもすらありません。
捏造した症例で補強されているのですからより悪質です。
いわば疑似科学と言われるジャンルです。
現代ではカルトと言ってもいいジャンルです。
『アドラー心理学を活用した片付けを提唱する、ホームオーガナイザーの丸山郁美氏もこう話す。』
興味深いのは、同じ自己啓発のジャンルである片付けと関係づける連中が湧いてきたことです。この辺りは以前紹介した牧野智和「日常に侵入する自己啓発: 生き方・手帳術・片づけ」を読んでいただけるとより理解が深まります。
それにしてもこれは名著かもしれません。
まさか、アドラーと片付けがリンクしてくるとは思っていませんでしたが、この本を読めばむしろ必然であるといえます。
ほんとうに自己啓発系というのはロジカルに進化しているのだと実感させられます。
すごいです。
心理、教育、社会学系の学生さんには必須の著だといえます。
学生さんであれば、この”ホームオーガナイザー”(ってなに?)を称する方の著作をこれを元に解析されると、立派な論文が成立すると思います。
うまくいけば、たった数冊の本で卒論が書けちゃうかもしれません。
by k1right
| 2016-03-14 00:00
| 臨床心理学
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