2016年 02月 23日
マスクと魅力の調査について |
道新の記事では全文が読めないため、ググったら以下がヒットしました。
最初の疑問は、サンプル数と被験者数が少なすぎるのではないか?という疑問だったのですが・・・
古い順に載せましたが、なんなんでしょう、これは一体?
3)2/22 WEB版道新「白いマスク、魅力も隠す? 「病気」「不健康」の印象 北大・河原特任准教授調査」
まとめてみました。
・研究者
1)北海道大学の 河原純一郎准教授と
2)北海道大学の 河原純一郎特任准教授と
3)北大大学院文学研究科の 河原純一郎特任准教授(認知心理学)と
1)中京大学の 宮崎由樹助教
2)中京大学の 宮崎由樹助教
3)中京大心理学部の 宮崎由樹助教(認知心理学)
サンプル
1)(サンプル数不明)ピンク色と白色のマスクをつけた20代から30代の女性の顔写真
2)白色のマスクを付けた20~30歳の顔画像(男性66名・女性66名)
※『マスクを付けた顔画像の方が、マスクを付けない顔画像よりも外見的魅力が低く評価された』とあるので、マスクを付けた/付けないでの比較のようです
3)20~30歳の女性66人の顔写真、男性66人の顔写真
半数はマスクなしのまま、残りを白いマスク姿に加工。
被験者
1)18歳以上の男女33名
2)男女合計210名の評価者
3)男女29人、別の男女26人
評価法
1)写真は1枚ずつ表示され、それぞれにつき1から100までの数値で魅力を判定
2)画像1枚ごとに感じる外見的魅力や健康さを評価
3)どれだけ見た目が魅力的か、最高100点から最低1点までで評価
結果
1)もともとの顔の魅力とは無関係に、ピンク色のマスクをつけた方が白いマスクをつけた場合に比べて5%程度魅力的に見えるという結果
2)性別に関わらずマスクを付けた顔画像の方が、マスクを付けない顔画像よりも外見的魅力が低く評価された。さらに元々魅力の高い顔画像の方がより魅力の評価の低下が大きいことが分かった。
3)男女ともにマスクなしの方が高い評価、もともと魅力が高いと認識されている顔写真のみで平均点を比べると・・・全体平均以上にマスクの有無で大きな差
分析
1)マスクを着用することにポジティブな影響が生まれる可能性がある
2)マスクを装着することで見た目の健康さが下がり、ネガティブな印象を生む
(※根拠不明)肌の傷やニキビなどが隠されることで、魅力が上がる可能性がある
3)「顔を隠すことで見た目に影響が出るだけでなく、『病気』『不健康』といった白いマスクの一般的な印象が魅力の低下を招いた」と分析。マスクは顔の情報量を減らすため、美しい肌や唇など本来持っている魅力的な特徴が多いほど、好感度を下げるほか、白いマスクの負のイメージが魅力をさらに減退させる
1)は時期的に全く異なる調査であることが分かります。
2)と3)はサンプル数はほぼ同じですが、「白色のマスクを付けた」と「白いマスク姿に加工」と微妙に異なります。
さらに2)と3)の被験者数が大きく異なるので、これも、異なる調査であると考えられます。
ただし、1と3)の評価法が同一なので(2)は不明)、継続/一貫した調査であると思われます。
ただ、継続/一貫した調査とすると、被験者数が大きく異る理由がよくわかりません。また2)3)を異なる調査としてしまうと、わざわざ別の調査とする意図が理解できません。
さらに、偶然なのでしょうが、各調査とも33の倍数(66)という数字が共通しています。
1)は被験者が男女33名(男女各33名の合計66名か男女合計33名かは不明)
2)3)はサンプル数が男性66名・女性66名
可能であれば、3つの調査を合わせて解説していただきたいです。
さらに2)3)の結果と分析に関しては、ユニ・チャームさんのコメントも欲しいところです。
『北海道大学の河原純一郎准教授と中京大学の宮崎由樹助教はユニ・チャーム株式会社と共同でマスク着用の有無やマスクの色合いによる顔の魅力への影響を検証しました。その結果、もともとの魅力に関係なく、ピンク色のマスクが女性の顔の魅力を上げることが分かりました。この成果を活用した女性用マスク「超快適マスク 女性用」が9月1日よりユニ・チャームより発売されました。以前限定発売していたものをリニューアルしての通常販売になります。
エチケットや体調管理の観点からマスクの着用者が増加するに伴い、本来の機能の他にデザインや見た目などの機能も重視されるようになってきました。例えばユニ・チャームの「超快適マスク」のバリエーションとしてピンク色のマスクを限定発売したところ、マスクの色で気分を変えたい女性から好評だったようです。一方で、マスクを着用する文化は日本以外ではあまり見られないため、見た目の魅力に与える影響に関しては良く分っていませんでした。
このことを受けて河原教授たちはマスクをつけることで顔の魅力が変化するのかどうかをデータに基づいて検証しました。研究ではピンク色と白色のマスクをつけた20代から30代の女性の顔写真を画面に写し、18歳以上の男女33名に魅力を判定してもらいました。写真は1枚ずつ表示され、それぞれにつき1から100までの数値で魅力を判定します。その結果、もともとの顔の魅力とは無関係に、ピンク色のマスクをつけた方が白いマスクをつけた場合に比べて5%程度魅力的に見えるという結果が得られたのです。
この結果から河原教授はマスクを着用することにポジティブな影響が生まれる可能性があるとしています。マスクを着用することにはあまりいいイメージはないかもしれませんが、色によっては顔が魅力的に見えるとなれば風邪をひいてなくてもマスクをする人が増えるかもしれません。
出典:【北海道大学】マスクの色が顔の魅力に及ぼす効果を検証(PDF)、【ユニ・チャーム】より優しいベビーピンク色へ改良し、定番化 「超快適マスク 女性用」新発売』
『北海道大学の河原純一郎特任准教授と中京大学の宮崎由樹助教は、マスクを着用すると顔の魅力が下がることを明らかにした。
風邪や花粉症対策といった機能に加えて、マスクにはデザインや見た目などの装飾品としての機能も重視されるようになってきている。マスクは口元を隠すため見た目の魅力を損なう可能性があるが、逆に装着した方が魅力が高いと主張する立場もある。
今回の研究では、白色のマスクを付けた20~30歳の顔画像(男性66名・女性66名)を画面上に映し出し、男女合計210名の評価者が画像1枚ごとに感じる外見的魅力や健康さを評価する実験を行った。
その結果、性別に関わらずマスクを付けた顔画像の方が、マスクを付けない顔画像よりも外見的魅力が低く評価された。さらに元々魅力の高い顔画像の方がより魅力の評価の低下が大きいことが分かった。
こうした効果が起こるのは、2つの原因が考えられるという。1つはマスクを装着することで見た目の健康さが下がり、ネガティブな印象を生むというもの。もう1つは個人差に関わる要因で、肌の状態が良いなどもともと魅力的な特徴がマスクで隠されると、その人の魅力は下がる。一方、肌の傷やニキビなどが隠されることで、魅力が上がる可能性がある。これらの2つの要因が合わさって、マスク装着が見た目の魅力に及ぼす効果が生じていると考えられるという。』
『白いマスクを付けると、顔の魅力が下がる―。そんな調査結果を、北大大学院文学研究科の河原純一郎特任准教授(46)=認知心理学=らがまとめた。マスクなしとありの顔写真を別人に見せ、印象度を点数化して比較した。マスクをめぐっては近年、風邪の予防や花粉症対策といった本来の用途ではなく、化粧いらずの「だてマスク」が若い女性を中心に人気となっている。今回の結果は、そんな流行に一石を投じるかもしれない。
中京大心理学部の宮崎由樹助教(32)=同=との共同研究。「マスクと顔の魅力の関係を科学的に検証したい」として、注意や記憶など人の認識を研究している河原特任准教授らが、2013年から調査を始めた。1月に論文にまとめ、日本心理学会の国際誌で近日中に発表する予定という。
調査法は、20~30歳の女性66人の顔写真を1枚ずつ用意し、半数はマスクなしのまま、残りを白いマスク姿に加工。これらを男女29人に見せ、どれだけ見た目が魅力的か、最高100点から最低1点までで評価してもらった。男性66人の顔写真についても同様の手法で、別の男女26人に回答してもらった。
マスクの有無の調査では、女性の顔写真の平均点が、なし49・1点、あり44・7点となった。男性はなし41・7点、あり39・0点で、男女ともにマスクなしの方が高い評価だった。
もともと魅力が高いと認識されている顔写真のみで平均点を比べると、女性はマスクなし65・4点、あり56・5点。男性がなし56・5点、あり51・6点で、全体平均以上にマスクの有無で大きな差が出た。
河原特任准教授は「顔を隠すことで見た目に影響が出るだけでなく、『病気』『不健康』といった白いマスクの一般的な印象が魅力の低下を招いた」と分析。マスクは顔の情報量を減らすため、美しい肌や唇など本来持っている魅力的な特徴が多いほど、好感度を下げるほか、白いマスクの負のイメージが魅力をさらに減退させるという。
一方、日用品に関する情報を提供するプラネット(東京)が昨年12月、男女約4千人に行ったインターネット調査では、20代女性の44・9%、30代女性の31・3%が「だてマスクをしている」と回答。「化粧をしていなくても気にならない」といった理由が多く、「目元が強調できる」などファッション感覚の人もいたという。(報道センター 中秋良太)』
by k1right
| 2016-02-23 00:00
| 臨床心理学
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