2016年 01月 04日
秋田県 |
秋田県といえば、
常に学力テストでは上位、秋田美人、あきたこまち・・・
幸せそうなイメージですが、後で紹介するように、
実は、人口は激減し、自殺率が高止まりしています。
秋田美人というのも
日照時間が短かい、
湿度が高い==ジメジメしているから、だと言われています
日照時間の長さと自殺率は
(ビーバーフィーバーと言われるように)
北国特有の事象です。
義務教育に関しては秋田モデルの採用は正しいかもしれませんが
(そもそも学テはエビデンスにはならないとの説もありますが
他にまともなデータがないので)
県全体のボトムアップになっていないということです。
では、小中で優秀だった子どもたちはどこに行っているのか、を調査する必要があります。高校生の県内外進学率と偏差値のマトリックスを作るところから始めてくださいませんか?
県内の大学・短大・専門学校生の就職先などの調査結果もほしいですね。
決して、カスばかりが秋田に残っていると言うつもりはありません。
『◎進化する秋田モデル(上)未遂者』
『◎進化する秋田モデル(中)若者』
『◎進化する秋田モデル(下)高齢者』
『◎先行県・秋田のいま(1)資産流出』
『◎先行県・秋田のいま(2)マイホーム
『◎先行県・秋田のいま(3)空き家』
『◎先行県・秋田のいま(4)小売り』
『自殺者が多い秋田県では2000年から、全国に先駆けて行政や医師会、NPO、大学などが連携して対策に取り組んできた。「秋田モデル」と呼ばれる仕組みは実を結びつつあり、昨年の自殺率は20年ぶりに全国ワーストを脱した。ことしの自殺者も11月末現在で255人と前年同期比で5人減少している。一方で未遂者や、高齢者、若者の自殺が減らないなどの課題もある。これからの自殺対策に何が必要かを考える。(秋田総局・今愛理香)
◎進化する秋田モデル(上)未遂者
<自損行為160件超>
リストカットや服薬などの自損行為で救急搬送される自殺未遂者は、秋田市内で確認されただけでも年間160件を超す。
自殺予防の中で、未遂者対策は緊急性が高い。自損行為は繰り返されることが多いからだ。同市の保健師金城紀子さん(54)は「最初は軽傷でも、やがて死に至るかもしれない」と懸念する。
このため、秋田市はいち早く対策に乗り出した。消防、4救急病院、秋田大と連携し、2012年から独自の「自損患者診療状況シート」を活用している。
シートは、搬送した救急隊員が自殺を図った手段や同居家族の有無などを記入。担当医師が治療後、精神科の受診状況などを記載し院内の精神科に引き継ぐ。
救急医療のスタッフは「服薬量や搬送時の様子が分かり、診察が迅速にできる。自損患者への対処法に関して意識も高まった」とシートの意義を話す。
精神科以外の医師が救急担当の場合、一般的には自損患者が身体的に回復すると「精神科にも行ってください」と声を掛ける程度で、帰宅させることが多い。
シートの導入により、搬送、治療、精神科受診という流れが生まれ、自損患者を心身ともにケアできる。シートは院内で保管。医師は再診の際、患者がいつ、どの程度の自損行為をしたのかが分かり、より適切な診療も可能になった。
<情報共有に課題>
予防に生かすデータとしても重要だ。秋田市保健所が集計したシートを秋田大が分析したところ、自殺者は40~60代前半の中高年男性が多いのに対し、未遂者は20~30代の女性が多かった。未遂者の6割以上は精神科の受診歴があり、手段は服薬が最も多かった。
市立秋田総合病院の内藤信吾精神科科長は「睡眠薬や精神安定剤などの量を深く考えずに処方することは、自損行為を助長しているとも言える」と医師の意識改革の必要性を指摘する。
未遂者対策の上で欠かせないシートだが、さらに有効活用するには課題もある。情報の共有だ。個人情報のため患者本人の同意を得なければ、シートの記載内容を自殺の相談に乗るNPOなどと共有できない。未遂者の多くは、相談先の紹介などを拒むという。
秋田市保健所の担当者は「まずは患者本人に、悩みを相談したいと思ってもらうことが必要。そのためには、さまざまな相談先があることを、粘り強く説明していきたい」と話す。』
『◎進化する秋田モデル(中)若者
<車座で語り合う>
12月の週末、秋田市中心部にある会議室に、10~30代の男女8人が集まった。NPO法人「目的のある旅」が月に1度開いている「若者の語り場」。輪になって椅子に座った参加者の会話は弾み、話題は恋愛から政治にまで及んだ。
目的のある旅は、代表の草野剛さん(36)が若者に語らう機会を提供しようと2011年に設立。語り場は12年11月に始めた。
「職場での人間関係がうまくいかない」「就職活動などで『自己実現の場はあるか』とか『自分らしさは何か』と聞かれるけれど、よく分からない」。語り場で、そんな悩みや不安を打ち明ける若者もいる。自殺対策にもつながるとして、行政や他のNPOの担当者から注目を集める。
秋田県の自殺者はバブル崩壊後、中高年層(40~64歳)が目立ち、対策もこの年齢層を中心に進めてきた。ことし11月末現在、中高年層の自殺者は82人(県全体は255人)と前年同期比で17人減っている。一方、30代以下の若者層は55人。前年同期比3人増と微増傾向にある。
県内で自殺予防を手掛けるNPOは、遅れがちだった若者対策に力を入れようとしている。ただし、いざ取り組もうとしても「若者の心理が分からない」(NPO関係者)のが実情だ。
語り場の本来の目的は自殺予防ではないが、結果的に、さまざまな悩みを抱える若者たちの受け皿になっている。こうした若者向けのサロンは県内でここだけ。秋田市保健所は、自殺未遂者などの若者に語り場を紹介している。
<視線気にせずに>
今の若者は勉強も仕事も家事も完璧にできなければいけないというプレッシャーがあり、閉塞(へいそく)感を抱えている。草野さんは、語り場の参加者を見てそう感じている。
「周囲の視線は捨てていい。不安や悩みがあっても思い詰めずに、『気楽に考えればいいんだ』と気付いてもらいたい」と言う。
そのため、語り場では意見を押しつけたり、否定したりしない。失敗談を面白おかしく話す人、それを大声で笑う人、参考にしようと耳を傾ける人。「ありのままでいいんだ」と思える雰囲気が会場を包む。
県警が遺族への聞き取りや遺書などを基にまとめた統計によると、若者の自殺の多くは家族や友人との人間関係のもつれが原因だという。身近な人に相談できず、助けを求められないだけに、語り場のような不安や悩みを吐き出せる場は大きな意味を持つ。
語り場の活動を参考に、秋田市役所は昨年、自殺予防に取り組む人が若者の心理を理解するための研修会を始めた。県も年明けから同様の研修会を県内各地で開く予定だ。』
『◎進化する秋田モデル(下)高齢者
<前年比で9人増>
秋田県内の高齢者(65歳以上)の自殺は、30代以下の若者層と同様に増加傾向にある。11月末現在では118人と前年同期と比べて9人増えている。
「高齢者の悩みは一つではなく、複雑に絡み合っている」。秋田市で高齢者の自殺対策に取り組むNPO法人「蜘蛛(くも)の糸」の佐藤久男理事長(72)は対応の難しさを口にする。
悩みは人間関係や経済的問題、健康不安だけではない。「長い人生の中で身近な人を自死で失うと、行き詰まったとき、『そういう道もあるな』と自ら命を絶つ人がいる」。佐藤理事長は深刻な事例を説明する。
蜘蛛の糸に相談に通う同市の女性(72)は約1年前、当時40代の娘が自殺した。悲しみから抜け出せない中、周囲から「いつまでも引きずって」などと冷たい言葉を浴びせられた。
「生きる意味が分からない」。こう訴える女性に対し、佐藤理事長は「苦しいときに結論は出さない方がいい」と優しく語り掛けた。続けて、会社経営に失敗して自殺を考えながら踏みとどまった自らの経験を伝えた。
女性は「理事長の言葉から(生きるための)何かをつかみたくて来るんです」と話して帰路に就いた。
高齢者に自殺をどう思いとどまらせるか。県の担当者は「地域の相談窓口が何よりも重要」と言う。インターネットでの情報収集や交通手段が限られる人が多いからだ。
蜘蛛の糸は12月を「対策強化月間」と位置付け、総合相談会を秋田市で毎日開催。他のNPOと合同の臨時窓口も5市町で設けている。
<専門家も相談員>
相談員には臨床心理士や弁護士らもおり、悩みに応じて助言する。専門家が加わるのは、行政やNPOなどの関係機関が連携して自殺対策に当たる「秋田モデル」の特徴でもある。
ただ、悩みを抱えている人が必ず窓口に足を運ぶとは限らない。
そこで「ゲートキーパー」という存在が重要になる。地域で高齢者の変化にいち早く気付き、声を掛けて相談窓口へと導く。県は市民に幅広く参加を呼び掛け、年明けから自殺対策に関する基礎的な講座を開いて養成に力を入れる方針だ。
「秋田モデル」は自殺対策に一定の効果を挙げている。それでも関係機関の取り組みには限界がある。
「地域で見守る人を増やすことは自殺者全体を減らすことにつながる」。県の担当者は支援者の裾野を広げる地道な取り組みの必要性を強調する。』
『人口が約102万と東北で最も少ない秋田県は、全国最速のペースで人口減少が進む先行県でもある。2040年には70万人にまで落ち込むとの国の推計が出て以降、動揺が広がった。人々が消えゆくまちで何が起きているのか。立ち向かう有効な手段はあるのか。金融や住宅供給、小売りなどの現場で、人口激減の足音に耳を傾けた。(秋田総局・上田敬)
◎先行県・秋田のいま(1)資産流出
<関係途切れる>
人口減の進行に伴い、個人資産が県外に流出するとの危機感が、秋田県内の金融関係者に広がっている。理由は相続だ。
「相続人は全員が首都圏在住というケースが珍しくなくなった」。SMBC日興証券秋田支店の依田正文支店長が明かす。顧客が亡くなって相続が発生すると、相続人は自社の口座に財産を残してくれる。ただ、住宅購入や子どもの教育などでまとまったお金が必要になると、口座から引き出される。それきりということも少なくない。
営業現場からは「信頼関係を積み上げてきても、相続というタイミングで関係が途切れてしまう」と嘆きが漏れる。相続相談の専門担当者の配置や相続セミナーの開催などにも力を注ぐ。とはいえ、営業の基本は顔を合わせること。首都圏にいる子世代と新たに関係を築くのは簡単ではない。
依田支店長は「後継者がいない富裕層の企業経営者や医師が少なくない。将来が見えず、子どもに無理に秋田に帰ってこいと言えないケースも多く、事業承継もお金の承継も難しくなった」と解説する。
<金利で優遇も>
危機感を抱くのは銀行も同様だ。
北都銀行(秋田市)は、相続で受け取った財産に限定して金利を優遇する定期預金の取り扱いを2014年12月に始めた。ことし3月には県外への資金流出防止を念頭に、インターネット支店でも受け付けを開始。担当者は「今後とも秋田とつながってもらいたい」と狙いを話す。秋田銀行も店頭限定で相続専用定期預金を扱っている。
今後20~25年間に、相続に伴って家計金融資産の5割以上が首都圏と近畿圏に集中する-。三井住友信託銀行は昨年公表したリポートで、こんな見通しを示した。高度成長期以降、地方の親と大都市圏の子という組み合わせが多くなり、相続で地域間の資産移動が起きることを踏まえた。
親子同居世帯比率や別居世帯の地域内訳などから、地域ごとに域外流出の割合を試算。全国で相続されると見積もった資産は650兆円で、東北は38兆円を占める。東北からはこのうち10兆円が首都圏を中心とした域外に流出するとした。
<5年間正念場>
ただ、秋田県内もここ10年は県内金融機関の預金残高が横ばいで推移する、と秋田銀行系シンクタンク、秋田経済研究所の松渕秀和所長はみる。
国の推計では、10年に32万1000人だった65歳以上の人口が25年には35万3000人に増加する。預金する年金受給者が増え、資産流出のマイナスと一定程度相殺されると推計する。
問題は25年以降、高齢者数も減少に転じる局面だ。松渕所長は「地方創生の総合戦略に取り組むこの5年間が正念場。人口減に歯止めをかけ、地域で稼ぐ力を高めて雇用を増やしていかなければ経済活動の縮小が加速する」と警告する。』
『◎先行県・秋田のいま(2)マイホーム
<建築費が高騰>
県庁所在地の秋田市で3年以上、分譲用マンションの供給が止まっている。中心市街地に2012年9月に完成した物件が最後。ただ、人口減少が直接の要因ではないとの見方が大勢だ。「事業に取り組む業者がいないだけ」と地元の不動産関係者は言う。
県外のデベロッパーが撤退し、地元企業は経営方針の変更で開発をやめた。関係者は「年200戸程度の需要は今もある。東日本大震災後の建築費高騰で、造っても一般には手が届かない値付けになってしまう」と背景を解説する。
<一戸建て堅調>
県経済の先行き不安や止まらぬ地価下落、増え続ける空き家。夢のマイホーム購入に二の足を踏ませる悪材料があふれているが、県内の住宅販売は実は一戸建てを中心に堅調だ。
県統計によると、10年度以降、県内の住宅着工戸数(貸家など含む)は3500~4000戸で推移。とくに13年度は消費税が8%に上がる前の駆け込み需要で4300戸超に急増した。15年度は10月までの累計で2501戸と前年同期(2511戸)並みを維持。景気回復の影響もあって需要は底堅い。
基準地価は住宅地が17年連続、商業地は23年連続で下落。住宅地の平均価格は06年から10年連続で全国最低と悲惨な状況だ。ただそれは手頃な価格で土地を買えることも意味する。「売却するのでなければ地価下落の影響はない。固定資産税が減っていい」と冗談めかした話すら聞かれる。
若い世代も手が届くとされる土地・建物込みで2500万円以下の物件も出て、人気を呼んでいる。昨今の低金利も住宅購入を後押しする。変動金利で年1%を大きく割り込む水準を提示する金融機関も珍しくない。
<奪い合い激化>
とはいえ業界の先行きの見通しは暗い。ある住宅会社幹部は「今後5年以内に県内の住宅会社は半減する」と予想する。17年4月に消費税の10%への増税が予定されており、需要の先食いが終わるとパイの奪い合いが一層激化するからだ。
県南部と秋田市を中心に年間100棟以上を請け負うサンコーホーム(横手市)は売り上げの9割を新築が占める。今後はリフォームやリノベーション(大規模改修)にも力を入れ、10年後には新築との比率を五分五分にまで持っていく経営戦略を描く。
後藤直生専務は「人口減や高齢化が進む中でマーケットは拡大しない。変化できなければ会社はつぶれる」と厳しい表情で話す。
年間約30棟を手掛ける住宅会社の幹部は、市場の縮小で数を追い掛ける販売方法は難しいと考えている。自然素材の家造りを前面に、高いデザイン力や木のぬくもりを生かした内外装をアピール。「他の会社がまねできない素材や建て方に特化し、安心して商売が続けられるマーケットを自らつくり出す」と力を込める。
荒波に備えて、ビジネスモデルを見つめ直すことが求められている。』
『◎先行県・秋田のいま(3)空き家
<倒壊の危険も>
人のぬくもりが消えた建物が増え続けている。
国の住宅・土地統計調査によると、2013年10月1日現在、空き家は約820万戸に上り、全住宅の13.5%に達し、ともに過去最高を更新した。
秋田県は県内の12.7%に当たる5万6600戸。前回調査(08年)から1300戸増えた。
県内の持ち家率は全国2位の78.2%(同調査)。持ち家は賃貸より流動性が低い。そこに加速する人口減を考え合わせると、倒壊の危険や景観の悪化といった空き家問題は今後、より深刻になる。
<居住可能18%>
利活用が重要となるが、傷み具合など、空き家の実情は捉えにくい。
NPO法人秋田移住定住総合支援センター(秋田市)は、県の委託で昨年度から2カ年で実態を調べた。調査員が自治体提供のリストを基に現地を訪問。昨年度分の5市町約4500件のうち、居住可は36%。本年度分で集計済みの6市町村約1100件では、わずか18%だった。
屋根や窓の損壊などで活用が難しい建物が多かった。データ上は空き家でも、年末年始やお盆だけ住人が戻ったり、高齢の所有者が福祉施設に入所中だったりと、売却や賃貸が難しい事例もある。
NPOの永井健副理事長は「半分程度は住めると思っていたのだが…。土地として売るのが難しい山間部では、自然に任せて朽ち果てる物件も少なくない」と指摘する。
県によると、25市町村のうち16市町村で、「空き家バンク」が始動している。ただ、登録数は1自治体当たり多くて十数件。県人口問題対策課の担当者は「売却希望なのを近所に知られたくないといった声がある」と明かす。
<要望聞き仲介>
県はことし、移住者増を目指す施策として、市町村などの申請で1軒当たり400万円まで改修費を補助する制度を創設。空き家活用の一助にする考えだ。
民間も動き始めた。「空き家を資産に」を合言葉に、NPO住まい安心サポート秋田(秋田市)が9月中旬、活動を始めた。「福島からの避難者向けに割安で入れる物件を」「思い入れのある家なので、大事に使ってくれる人を探している」。一般の不動産業者が応えにくい要望を聞き、所有者と入居希望者を結び付ける。
町内会長や他のNPOなど広いネットワークで集める情報が持ち味だ。売買と賃貸の相談はこれまで11件と静かな出足だが、成約に向け話し合いを進める。
佐々木義文理事長は「空き家だらけになった街には、自分の子どもも住まなくなる」と対策の必要性を強調。「思い入れのある家を地域住民のために活用してほしいと願う人は少なくない」とも語る。
仏壇があるからと借り手がない家でも、例えば放課後の児童の居場所ならどうだろうか-。1歩ずつ、1軒ずつでも、利活用の輪を広げていくつもりだ。』
『◎先行県・秋田のいま(4)小売り
<顧客に近づく>
買い物をする人が年々減っていく。危機感は流通大手にも広がっている。
「郊外にショッピングセンターを造りながら成長してきたが、人口減対応を急がなければならない。車で来てもらう商売から近づいていく手法へ、転換が求められている」。北東北を中心に103店を展開するマックスバリュ東北(秋田市)の加藤久誠専務が言う。
同社は7月、高齢者や小人数世帯に照準を定めた新形態の「マックスバリュエクスプレス御門町店」を由利本荘市にオープンした。
<店員が袋詰め>
既存店を改装する形で開業した店舗は広さ約800平方メートル。商圏は半径300~500メートルで徒歩や自転車で来店しやすい圏内だ。
同規模店なら通常1万2000の品数は8500まで絞り込んだ。だから「ハレの日」向けの高級食材は置いていない。その代わり、日々の暮らしに必要な物は切らさないという。
高齢者を意識した店づくりを徹底。同社初の対面レジを導入し、店員による袋詰めサービスを始めた。陳列棚の高さは180センチから155センチに下げ、最上段に手が届きやすい。車いす利用を想定し、肉や野菜を並べる主通路の幅は2.5メートルと50センチ広げた。
つえを手に来店した無職小松昭さん(83)は「店内移動が以前より楽。目的の物も探しやすくなった」と満足そうだ。
閉店後にはロボット掃除機が動き回る。費用削減に加え、地域の高齢化で従業員の確保が難しくなる事態に備え、導入を試みた。
試行錯誤を続ける理由を加藤専務は「人口減や高齢化が進む中、どんな店が求められるのか。早めにスタートして形を作らなければならない」と説明する。
<毎年100億円減>
1人当たりの消費支出が仮に年間100万円程度として、人口が毎年1万人ずつ減る秋田県では、年100億円の消費支出が消えていく-。
県内外で調剤薬局43店を経営するサノ・ファーマシー(秋田市)の佐野元彦社長は計算する。県人口が2040年に70万人になるとの国の推計を受けてはじいてみたという。
直近の自社の年間売上高は約65億円。減少気味の客数を客単価の上昇が補う形で経営は堅調だが、県内経済に対する危機感は強い。
「物が売れずに店が廃業すると、雇用も減る。仕事がないから県外に出る。悪循環の道に入りつつある」
近ごろは「ついで買い」に力を注ぐ。小容量のレトルト食品やお茶菓子、靴下や肌着まで。買い回りがおっくうだという要望に応えている。「表面化した需要ではなく、潜在的な欲求をくみ取る。高齢者にとって便利で助かることがビジネスになる」と話す。
それでも県内市場には限りがある。43店のうち19店は首都圏や岩手、仙台などに立地する。佐野社長は「高齢化先進県の秋田で培った店舗運営のノウハウは、他地域でも応用できる」と読んでいる。』
『秋田県は28日、2015年国勢調査(10月1日現在)の速報値を発表した。県人口は102万2839人で、10年の前回調査と比べて6万3158人(5.8%)の減となり、1920年の調査開始以来、過去最大の減少率となった。10年の調査と同様に、全25市町村で人口が減少した。
男女別では、男性は48万178人で2万9748人(5.8%)減少し、女性は54万2661人で3万3410人(同)減った。世帯数は1515世帯(0.4%)減の38万8621世帯。1世帯当たりの人員は0.15人減の2.63人で過去最少となった。
総務省の人口推計で県人口が最多だった1956年の134万9936人(男性66万584人、女性68万9352人)から約60年で24%減ったことになる。
市町村別人口は表の通り。県北部の山間地域を抱える郡部ほど減少率が高く、男鹿、小坂、上小阿仁、藤里、八峰の5市町村で減少率が10%を超えた。減少率が最も低いのは秋田市。大潟村、秋田市のベッドタウンの潟上市と続いた。世帯数が増えたのは秋田市と潟上市だけだった。
県総合政策課の湯元巌課長は「人口減が進んでいる状況をあらためて裏付けた。地域の雇用や教育環境の維持など、持続可能な地域づくりに一層努めなければならない」と述べた。』
by k1right
| 2016-01-04 00:00
| 日々の疑問アレコレ
|
Comments(0)