2015年 12月 15日
貧困女子はなぜ臨床心理士を目指すのか |
先日の以下の記事に関する追記です。
『なぜ、私が節約を頑張っているのかというと、「臨床心理士」という資格をとる目的があるからです。そのために、臨床心理士指定大学院へ入学・卒業し、そして社会に出て働きたいのです。
・・・
そんな父を幼いころから見てきた私の中には、「父の心情を理解したい」という思いがあり、そこから、「人の心について学びたい」と思うようになりました。それを仕事にできる、臨床心理士の資格を取得したいと、節約し、お金を貯めているわけです。』
以前にも同じような疑問を持ちました。
『貧困から抜け出すならば、所得の高い仕事もしくは所得は普通でも安定した仕事を目指すのではないか?』
残念ながら、日経ビジネスの彼女は、ずっと貧乏暮らしでしょう。
まず、大学院進学にはコストがかかります。
おそらく、奨学金という借金を背負うことになるはずです。
学費はバイトで何とかする?食費にもかかつかつなのにそれ以上は無理でしょう。
なにより、臨床心理士の資格取得には実習が必要で、その間アルバイトは不可能です。下手をすると、奨学金よりさらに借金を背負う可能性があります。
そこまでの思いをして、臨床心理士資格を取得できたとします。
しかい、だれが、院卒一年目の人生経験のない臨床心理士資格取得者を、臨床心理士として雇いたいと思うでしょうか?
したがって、臨時職や非正規雇用のバイト同然の待遇で実績を積む(=修行)をする必要があります。
ますます奨学金(+αに借金)の負担が増えます。下手をすると日々の生活も賄えない可能性もあります。
では、日経ビジネスの彼女にはどうアドバイスすればいいでしょうか?
1)大学院を目指すのであればできるだけ高いレベルの公立の院を目指す。
就職にも有利ですし、なにより、勉強量が違います。
そして、勉強ついでに、公務員の心理職の勉強をし、受験します。
ここに受かれば、臨床心理士資格などする必要もなくなりますし、収入も十分で、保証もバッチリです。
とはいえ、最難関であるには違いありません。
よって、同じ観点から、一般公務員の受験もすべきです。
2)大学院には進学しないで就職
臨床心理士はリスキーすぎるので、現時点で一番の安全策です。
意外にも心理学は理系分野と相性が良いです。
現代心理学はエビデンスベースのロジカル重視なので理系的な思考が必要です。
また、心理テストなどを扱うのに、コンピュータによる統計処理は必須です。
経済・経営系よりよほどPCスキルが要求されます。
したがって、他の文系学部に比べIT系への就職に有利です。
当初はIT土方的な仕事も多いかもしれませんが、大手SIerなら数年で高給取りになれます。イチかバチかでベンチャー系に就職して一攫千金を狙うという手もあります。もし旨くいかなくても転職時には一般事務職よりよほど有利であることには違いありません。
いかかでしょうか?日経ビジネスの彼女。
臨床心理士として病院に勤めても医者の下働きでしかありません。
若い女性の臨床心理士となるとスクールカウンセラーくらいしか(つまり大人相手のカウンセラーではない)仕事はありませんが、大概が経験を求められます。
つまり、院卒すぐに臨床心理士として活躍できるわけではなく、さらに修行が求められます。
臨床心理士を目指すのが間違いであるとはいいませんが、今の貧乏暮しの先のさらに貧乏暮しが待っています。
せっかくの貧乏暮しの経験が活かせません。
単に耐乏性が継続されるだけです。
最後にわたしから質問です。
「あなたは貧乏暮らしから抜け出したいと思っていますか?」
by k1right
| 2015-12-15 00:00
| 貧困女子
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