2015年 09月 06日
「子供の自殺の多い日」の報道について2 |
という記事があったので思うところを書きたいと思います。
いじめと子供の自殺については過去何度か書きました。
先の記事にあるように『いじめ報道が過熱したときに各社がつくる『いじめ特集』はひどい』ゆえに、被害者側、学区側ともマイナスインセンティブが効き『今回話題になった『9月1日問題』』が発生するのだと思います。
しかし、『9月1日問題』は過去の話で、最近のの小中学校の2学期の始業日は自治体によりまちまちです(エアコンの普及が関連するのだとか?)。したがって、数年後に同様の統計をとった場合、子供の自殺の特異日が異なる日になる可能性があります。子供の自殺の特異日について統計解析をする場合は、日付だけではなく、時代や地域特性をも考慮する必要があります。例えば北海道では夏休み明けはお盆明けであり、代わりに冬休みが長い、という地域特性があります。
現在は小中学校の2学期の始業日が地域により異なるため、単純統計だと、自殺の特異日が4/8になったり、夏休み明けではなく、年度初めが危ない、と勘違いされる可能性があります。
以前書きましたが4/8前後は当時の有名アイドルの自殺日であり後追いもしくはインスパイアされたことで自殺が多く発生したため、その近辺が自殺の特異日となっています。ゆえに、4/8を年度初めとするか否かの判定が非常に難しいです(とくに言及がないのでマスコミ報道は年度明けということに誘導しているとも見えます)。
さらに特に今年の夏のように、子供の自殺報道が多くされた場合、自殺者数が大幅に増加することがあります。今年の夏に子供の鉄道飛び込み自殺が多いのは、その端的な例です。
自殺報道に関してはWHOが勧告していますが、日本のマスコミでは一向に改善されことはありません。今年の夏に子供の鉄道飛び込み自殺が多い理由は、WHOの勧告を読めば理解できます。
上記記事でも言及されていませんが、おそらくご存知ではないと思われます。
興味を持たれた方は、検索すれば容易に発見できると思います。
現代ビジネスの「「ナンパの達人」と「インタビューの名手」が明かす、コミュニケーションの極意 特別対談 聞き・書き・生きる(前編)」で、全体の趣旨はともかく、非常に心に響いた一節がありました。
『尹:人との関わり方がうまく設定されていないせいか、「弱いロボット」と言われることもあります(笑)、ルンバ程度の認識機能。人とぶつかったりしたらその都度、軌道修正してプログラムを書き換えないと社会生活が送れないという自覚はあります。』
これを自分なりに言い換えると
『私:人との関わり方がうまく設定されていないせいか、「できの悪いAI」と言われることもあります(笑)、ルンバ程度の認識機能。人とぶつかったりしたらその都度、学習してアルゴリズムを修正しないと社会生活が送れないという自覚はあります。』
という感じでしょうか?
カウンセリングも似たようなものです。
ぶつかったら都度、軌道修正して、アルゴリズムを修正すればいいのです。
ダメなのは、最初に設定したアルゴリズムに固執すること、
ぶつかったら跳ね返したり押し付けたり諭したりすること、
ぶつかることを恐れて、何でもかんでも肯定してしまうこと、
(受容と肯定はちょっと違いますが、これを勘違いしているカウンセラーは多いです)
それらのことはいつも心がけるようにしています。
※もちろん、全てケースバイケースで、相手次第、状況次第であることは違いありません。
子供の心はまだ柔軟だから、とおっしゃる方が多くいます。
しかし、子供の環境はどうでしょうか?
(ある程度の覚悟があれば)転職も引っ越しも可能な大人に比べ、その環境はほとんど自ら変更できない強固なものです。
それは、”軌道修正”が不可能なくらい強固なものなのです。
ゆえに、子供への対応方法は、難しいのです。
by k1right
| 2015-09-06 00:00
| カウンセリング
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