2015年 07月 12日
小田嶋隆氏、ワールドカップ決勝について語る |
2015/07/06のTBSラジオたまむすびでの小田嶋氏が再び女子ワールドカップに関して独自理論を展開されていて、それが非常にユニークだったので、その部分を抜粋しました。
放送では、この前に入院生活をナースコスプレパブに例えていましたが、あまりに下品なので省略しました。
以下、当該箇所の書き起こしです。
-中略-
赤江「開幕前から小田嶋さんが注目されていたまなたん女子ワールドカップは決勝戦が今日行われました。結果は5対2でアメリカが勝利。なでしこジャパンはは準優勝となりました。小田嶋さんはどのようにご覧になっていましたか?」
小田嶋「結構早起きしてあれしていたんですが、がっくりきちゃいましたね」
赤江「ちょっとね、試合開始して早々にあれれ、とんとんとんでしたもんね」
小田嶋「で、あ~っと呆然としている間にとんとんとんってやられちゃったでしょ」
赤江「なんかリズムがなかなか」
小田嶋「だからね、気持ちが立て直すのが全然、未だにまだできていないんですけど」
赤江「だって、あのロイドですか、アメリカの、どっからキタ~みたいな、スパーンっって入ってきましたもんね、どこにいたんだー」
小田嶋「だからあれをね、評論家的に言えば、崩された訳じゃないんだ、ということも可能なんだけど、全部セットプレーだったでしょ、ほぼ、やられたのが。
だから流れの中でやられたわけじゃなくて、
ていうことはアメリカに対するサッカーの、パスを繋がせないとか、どこでボールを奪うとかいう基本戦術の点ではやられていなかったんだと見ることも可能なんですけど、でもセットプレーでやられたということは、
セットプレー対策ができていなかったという風にもに見れるんじゃないかとも、
でも、もう一回逆にしてみると、
セットプレーって対策できないからセットプレーなんだという説もあったりして、
ところが心が千々にに乱れてわかんない」
赤江「ですよね」
竹山「高さにやられてっていう感じなんですか、それはあるんですか」
小田嶋「セットプレーも色々なバリエーションがあって、すごい正確なボールが来たってこともあるんですよ」
赤江「敵ながら鮮やかでしたよね」
小田嶋「鮮やかでしたよね」
赤江「綺麗に決まりましたもんね」
竹山「あれですか、一人ひとりの選手同士の力差がちょっとあったとも言えるんですか、そうじゃないんですか」
小田嶋「なんといっても最初の15分について言えば、ああいうふうに最初の15分にものすごい勢いで全員が上がってきてプレッシャーをかけっていう、開始15分で全力で、後先の事を考えずに、闇雲にくるっていうのは、実は格下のチームが良くやることなんですよ。先制点をとにかく取らないと、太刀打ち出来ないような、
日本がブラジルと戦うときとか、
日本がドイツと戦うときななんかは、そういう作戦を取るんですよ」
竹山「A代表?」
小田嶋「そう、A代表。
なぜかって言うと、だから最初にとにかく、こっちが1点取らないと勝負にしてもらえないから、だから、もう、一か八かじゃないけど、最初の15分は後先考えずに、スタミナあとできれてもいいから、とにかく全力で全員で行けっていう作戦って、よく日本も例えば中東のチームとか東南アジアのチームとそういうことやられるんですけど、でも、アメリカにやられたわけで、本来格上ですよ、どちらかと言えば、今までの実績で言えば。格上のチームが格下みたいな、横綱相撲じゃない、ひたむきなやり方でやって来た」
赤江「だってね、前回のワールドカップでアメリカ、負けているじゃないですか、
ワンバック選手とかは、今までの、他の試合は日程は覚えていないけども
日本に負けたあの試合の日にちだけは忘れてません」
小田嶋「アメリカってずっと女子サッカーの中では永遠の格上でしたから、ずっと横綱相撲っていうか、相手が来るのを見て、受けて立って、それで、押し返して勝ってたでしょう、で、それが、前回日本にやられちゃったわけじゃない、だから、これは、自分からつっかけていくというか、格下みたいな戦法でひたむきに来たんですよ。日本がそれを受けて立っちゃったというのか、ああーって」
赤江「なんかね、出鼻をくじかれたというのは、まさにこのことみたいな」
竹山「ちょっと思いの差があったのか、日本は二連覇という思いがあったけど、アメリカ忘れないっていう」
赤江「雪辱っていう思い」
竹山「オリンピックは関係ない。ワールドカップのあの日は忘れないっていう」
小田嶋「だから最初の15分の意気込みってまるで違ったでしょう。日本は、なんか、じゃぁ始めるよみたいな、様子見ている段階であれあれあれっ、だってあん時、セットプレーの時もそうだけど全員上がってきたでしょう、だから人数的にもあれあれあれっていう」
赤江「いやぁ~、ほんとですね」
竹山「5点のうち前半に4点取ってるんですね、3分、5分、14分、16分に」
小田嶋「だから1点取られた、ちょっと落ち着きが取り戻す前に、追い打ち追い討ちでやられてしまった感じですよね」
赤江「一回は4対2まで追いついたんですよね、澤選手ももう前半で投入みたいになってね。なんかそういうところが、見てて心揺さぶられる良いシーンも他には、負けいる中でもありましたけどね」
小田嶋「さすがの粘りを見せてくれた。だから、はじめの3点取られた時にもしかしたらこれ、前の男子のワールドカップの時のドイツ-ブラジルみたいな7対1みたいな試合になるのかなと思って、ちょっと気持ちが動揺していたんですけど、でも5対2まで持っていったくれたんで、まぁゲームにはなったのかな、と」
赤江「そうですよね。だって4-2まできて、これで次の1点が日本にもし入っていたらね」
小田嶋「4-2の時点では2点差であと40分あるよっていう感じだったから」
赤江「まだ行けるって、私、リアルタイムで見ていないのにまだ行けるってw」
竹山「でも、あれだけ、時間だけ、点数と時間だけ見ていると前半3分と5分で点入れられているじゃないですか、アメリカは、次、14分と16分に入れてるじゃないですか。点を入れて、日本があららとちょっと動揺したすきを狙ってまた行けって、シューシューシューって」
小田嶋「でも点って割りとそうやって小刻みに入るものですよ。
でも考えてみるとアメリカ、特に女子の世界ではアメリカって競技人口が圧倒的にすごいんですよ。日本は全部で多分2万人とかなんとかで、アメリカは100万人とかいう」
赤江「そんなに違うんですか」
小田嶋「だからトップが、あそこに出ていた25人の代表選手とアメリカの代表選手の25人と25人同士で比べてみると、まぁアメリカほうがもしかしたら上かもしれないですよ、そんなにすごく遜色はないんだけれど、これが100人1000人で比べると、全然、例えば、1万人サッカー選手を集めてみてどうかっていうと、日本の1万番目の選手だとド素人だと思うんだけれどアメリカにはああいうレベルの選手が1万人ぐらいいるのかもしれないぐらい層が厚いですよね」
赤江「決勝以外にもですね、なでしこジャパンですけれども。どうですか、小田嶋さん、今までの試合を見て振り返って」
小田嶋「彼女たちは見事ですよ。試合が終わった後、落胆しながら呆然として、でもテレビ消さないでずっと見てたんだけど、インタビューを上がってきてやってたじゃないですか、あれを見てたら、一人ひとりの選手が全部整理できてるんですよ。ていうのは、その試合がどうだったのか、どこが問題点だったのかっていう試合の中の話と、
あと、この4年間自分たちのどういうサッカーをしてきたのかという
この4年間の取り組みだとか、自分たちのチームに対する評価だとかという話と
あと、これから先なでしこはどういうふうにサッカーをやっていくのかていうと
4年間の話とこの試合の話と未来の話と、3つ切り分けて全部話ができるんですよ」
赤江「確かに」
小田嶋「それが出来るスポーツ選手って、男子のサッカー選手はまず間違いなくほとんどできないです。貶してるんじゃないけど、その場のことで、負けちゃった試合について、うわ、負けちゃった、ひどいです、残念です、苦しいです、頑張ります、応援してください、っていうところの感情の発露でコメントは率直でいいんですけど、でも、今やって取り組んでる事に関するお話だとか未来の話が出来る選手って男子の代表の中では本田選手だとか、4,5人いるっちゃいますけど、全員ができるかというと、そんなことはないですよね。でも女子の今日、宇津木選手だとか、大儀見選手だとか宮間選手もそうでうけども、みんなそこらへんの話しが筋道立てて言葉にして外に発信できるんですよ、あれは見事だな~と」
赤江「そうですよね。キャプテンの宮間選手も『もうブームじゃなくて文化にしたい』と仰ってましたし、前の試合でね。岩渕さんも負けて本当に悔しい、けれども
もっとこれからはなでしこを知ってほしいと、もう十二分に知られてるんですけど、女子サッカーの不遇な時代が今まで長かったから」
小田嶋「ちゃんと女子サッカー、自分たちのチームだけじゃなくて女子サッカー全体の競技をどうやってメディアを通してアピールするのかっていうことを一人ひとりが考えている」
竹山「まぁ4年後ですね、また新たな選手も出てきて、クラブチームで4年間今からみんなで頑張って」
小田嶋「これできっとアメリカのチームも、おそらく年齢層とかチームの骨格とかが前回と一緒でしたけれど、日本のチームもほぼ同じでしたけど、これで全面組み換えに多分なる」
赤江「世代交代になる」
小田嶋「このあとどうなるかですよね」
赤江「そうですね、澤選手はもうこれが最後のワールドカップかと」
竹山「かもしんないですね」
赤江「6大会」
小田嶋「なんか、勝たせてあげたかったですよね。でも準優勝ですから」
竹山「世界2位ですから」
赤江「いやーよかったですよ、良い大会でしたよ」
小田嶋「そうですね、いや、あの、楽しませてもらいました
赤江「ほんと、楽しかったですよね」
by k1right
| 2015-07-12 00:00
| TBSラジオ
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