2014年 12月 28日
最新のマンション用エレベーターは、箱の後ろを外して、棺桶が横に入るようになっている |
タイトルだけ見ると、何をバカなことを言っているんだ、と思われるだろう。
しかし、これが日本を代表する知識人の発言だとしたら?
これは養老孟司氏と隈研吾氏の対談から抜粋したものである。
養老孟司:1937年生まれ。東京大学医学部卒
隈研吾:1954年生まれ。東京大学工学部建築学科大学院修了
ちょっと考えればわかるが、
「最新のマンション用エレベーターは、箱の後ろを外して、棺桶が横に入るようになっている」のは
ストレッチャーを搬入するためである。
棺桶とストレッチャーは同じようなサイズではあるが。
新しい情弱層に共通するのは、過度に経験主義的であることだ。
この場合は「俺は(棺桶を)4階から下ろしたことあるよ。埼玉の病院でね、非常階段を使って。」とある。
両者とも、マンションでストレッチャーで搬送される場面に立ち会った経験がないのだろう。
私の住むマンションでは何度か救急搬送があり、何度かそれに立ち会ったことがある。
また、友人のマンションでは”救急搬送ようなのでいたずらしないように”との張り紙があった。
経験主義的であるということは、
経験していない事象に関しては否定的に捉える傾向になり、想像力が働かなくなりがちである。
(自分の知らないものは存在していないという考え方で
「なにそれ~あたしそれ知らな~い」と同じ考え方なのだが)
例えば、棺桶→死→病気→救急車→ストレッチャー、というような連想が可能なのに
経験が邪魔をして
”最新のマンション用エレベーターは、箱の後ろを外して、長尺物が横に入るようになっている”
という既存の知識に
”苦労して棺桶を搬出した経験”
という経験を足して
「最新のマンション用エレベーターは、箱の後ろを外して、棺桶が横に入るようになっている」
と変換されていると考えられる。
ただ、前記の発言が著名な建築家から発せられたことが問題だ。
しかし、彼の設計した建築物であってもストレッチャーは搬入可能だろう。
少なくとも法律には遵守しているはずだ。
by k1right
| 2014-12-28 00:00
| 日々の疑問アレコレ
|
Comments(0)