映画「フューリー」 |
「フューリー」を観てきた。
TBSラジオのたまむすびで町山智浩さんがえらく興奮していたので興味を惹かれたのだ。
売りは実際の戦車を使っていること。子供の頃にタミヤのプラモを作っていた世代としては見ない訳にはいかない。
なんでも現存するタイガー(ⅡorⅢ?)で動くのはこれ1台だそうだ。
連合軍のシャーマンも本物とのこと。
この辺りは多少説明的になってもいいから本編中で説明して欲しかった。
※独軍の”タイガー”を”ティガー”と発音するのは馴染めない・・・
アニメ「ガールズアンドパンツァー」でもそうであるように、とにかく二次大戦での戦車戦は思った以上に効率が悪い。とにかく戦車砲は当たらないし、当たってもちょっとずれたらピンピンしている。
クライマックスで独軍は対戦車砲らしき武器を持っていたが、それでもシャーマンは壊れない・・・。対戦車地雷でキャタピラが壊れたあたりはリアルに感じたが、それでも、ところどころで武器の威力に辻褄が合わない感じもあり、このあたりの検証はマニアに任せたいと思う。特に最後の棍棒のような形の手榴弾は対人用ではないようにみえたが、威力は対人用だった。
最近の戦争映画のはやりに沿った作りで、BGMはクラシック調の重いもので、そう考えると、「地獄の黙示録」のワルキューレや「フルメタル・ジャケット」のミッキーマウス・マーチは秀逸だった。
画像も無駄に暗く、戦車の中はかなりリアルに作りこんでいるようなのによくわからない。
劇場のシステムが悪いのか、折角の劇場で見ているというのに音が前からしか聞こえない。
できれば「ローン・サバイバー」の耳元でヒュンヒュン鳴る弾丸音を再現するシステムが欲しかった。そうすればラストの戦車内に閉じ込められてにそこらじゅうから打ち込まれるシーンは相当リアルに感じられたはずだ。
そういえば、これも数人対数百人の戦いを描いたものだった。
結果も同じで一人だけ生き残るというところまで同じだが、おそらく偶然だろう。
よくわからなかったのは、中盤の卵料理を食べるシーン。わざわざ髭をそってから大事そうにとってあった卵を料理させる意味が全くわからなかった。
アカデミー賞候補ということだが、おそらく受賞はないだろう。
ブラッド・ピットの演技云々より、あまりに最近の戦争映画のトレンドに合わせすぎている。
なんというか戦争ゆえの狂気性のようなものが感じられなかった。
平日夕方からの回だったからか、TOHOシネマズのサービスデーというのに、観客は合計4人。開場直後に入場したら貸し切りだった。
事前に混雑具合をチェックしたら1席しかチェックされていなかったのでシステムエラーかと思ったぐらいだ。